2章 私たちはマグネテラピーで人生が変わった
「キズ痕」がだんだん薄くなる
小さなキズ痕も本人にとっては大問題
「私は顔にキズ痕があって、気になって仕方がありません。どうにかならないものでしょうか」と相談にきた女性がいます。
「どこですか。どこ、どこ?」と私。向かい合って話しているのに全然わからないのです。ライトとルーペを使ってじっくり見ると、なるほど小さなキズ痕がある。光線の具合によっては、まったくわからない程度のものです。
「こんなに小さいの、気にしなくていいじゃないですか」
思わずそういうと彼女はムッとした表情でこういいました。
「先生は女の気持ちがわからないんですか! 私は毎日毎日、自分の顔を鏡で見て悩んでいるというのに……」
「ごめん、ごめん」
誰が見てもそれと気づくほどのキズ痕やヤケド痕は、なんとかしたいと思うのが人情のようです。よく見ないとわからない程度のものは「気にすることはない」と思っていたのですが、これはとんだ誤解でした。
やはり女性にとっては、「そこにキズがある」と意識するだけで、気になって仕方がない。第三者が見て気づかないようなものでも、本人にとっては大問題。そのことが原因で日常生活が消極的になったりしてしまうようです。
この女性はマグネテラピーによって、その傷をきれいにすることができました。それ以来、私はどんな小さなキズでも、その人にとっては「大きなキズ」である場合も少なくないのだ、と肝に銘じて接するようになりました。
交通事故のキズ痕をきれいにした女性
キズ痕をきれいにするために、たいへんな努力をされた女性がいました。
彼女は婚約者とドライブ中に交通事故に遇い、ガラスで頬を切ってしまったのです。島根県の学校の先生でした。
美容整形を2回受けたにもかかわらず、結局2回とも失敗したという。私は彼女から相談を受けたとき断りました。当時は通ってもらう必要があったからです。島根からとても通いきれるものではありません。
彼女の親も大反対の様子でした。
「医者が2回も試みてだめだったものを、エステティックなんかできれいになるはずがない。まして東京まで通うなんて冗談じゃない」
だが彼女は強引でした。学校を休職し往復10時間かけて島根から通い始めたのです。
その理由を彼女は、カウンセリング段階で私の話を聞いて「マグネテラピーなら絶対にきれいになれる」と確信を持ったからだと言いました。
しばらくして「交通費がもったいないから都内にアパートでも借りたほうがよっぽど安いでしょう」といったら、本当に渋谷に引っ越してきました。
それからの彼女は、週3回マグネテラピーに通うだけの生活。友達もいない東京での独りぼっちの生活を見かねて、スタッフがサロンの前にある(当時は青山で営業)おしゃれなテイクアウトの店でアルバイトを勧めたりしましたが、本人は頬のキズをお客さんに見られるのが耐えられないといってやりませんでした。
マグネテラピーに通っている間に、事故を起こした婚約者は、彼女の前から立ち去ったそうです。医者が2回もやってダメなら、一生キズものの女だと考えたのでしょうか。婚約者が逃げたと告げる彼女に私は言いました。
「そんな男と結婚しなくてよかったですね。キズ痕がきれいになれば、あなたに自信が戻り、もっと何倍も素敵な人がきっと見つかりますよ」
彼女は念願通りきれいになって島根に帰って行きました。お母さんがびっくりしたそうです。絶対無理とあきらめていたものが、元どおりになったからです。