2章 私たちはマグネテラピーで人生が変わった
古い「ヤケド痕」でもきれいになる
ケロイドが驚くほどきれいになる
重度のヤケドをしてケロイドになってしまうことがよくあります。お医者さんに行って治療をしてもらうと、ヤケドをした部分が乾いてきたら、「もうヤケドは治った」ということで治療はおしまいです。
あとは美容上の観点から皮膚移植をしたりするわけですが、これがなかなかうまくいかない。ケロイドは紫色になったり、赤くなったり、盛り上がったりしますが、たとえそれが小さい頃のヤケドであっても、ヤケド痕は形を変えながらそれ自体は消えません。
これは真皮の新陳代謝がないために痕として残るからです。お腹を手術した人でも、よほど上手に縫合しないと、痕がはっきり残ってしまいます。盲腸の手術を受けたことのある人はご自分の手術痕を見てみれば、縫合が上手だったかどうかすぐわかります。
とにかく、真皮が新陳代謝しないため、何十年たってもケロイドは消えない。2010年3月に博多から来た若い男性がケロイドで盛り上がって、色も赤かったのが平らになり、色も消えたケースもありました。
マグネテラピーが有効なのは、美容液と美容機器がつくりだす磁界が真皮にまで到達して代謝を促すからです。
盛り上がっているのを平らにすることは難しいのですが、変色したものを元の皮膚の色に近づけることは可能です。真皮が徐々に上まで上がってくるのにしばらくかかるので、10回ぐらいマグネテラピーをやっても、見た目にはなんの変化もないように見える。でも20回目くらいから、変化がかすかにあらわれ、見てわかるようになってきます。
30年前のケロイドがきれいになった歌手
前に紹介した前田博士から依頼されたジャズ歌手の話です。彼女は1歳半の時にヤケドをし、すでに30年以上たっていました。あちこちの美容整形医に相談しに行ったそうですが、ケロイド体質なので「再手術は無理」といわれたということです。
たとえ無理に再手術をしたとしても、そこがまたケロイドになってしまう。お尻の皮膚をはぎ取って移植するケースもありますが、彼女のようにケロイド体質だと、はぎ取ったところや移植したところがケロイドになってしまうそうです。
それでは移植手術をしても意味がありません。そこでマグネテラピーを週2回、月8回ペースでやることに決め、期間は最低でも2年は続けると決めたのです。ところが仕事で忙しかったりして、途中で休んだりしたため、きれいになるまでに結局3年ちょっとかかってしまいました。
でも、きちんと時間をかけて根気よく続ければ、真皮にも自己回復のエネルギーがとどき、新陳代謝が行なわれるようになることは証明されました。ヤケド痕を抱える人はいわゆる「古キズ」が多いものですが、でも決してあきらめる必要はありません。
彼女のヤケドは赤ちゃんのとき。こんな古いキズ痕でもマグネテラピーをすれば、それなりの効果が得られるのです。彼女の近況をお伝えしますと、六本木でライブが聴ける素敵なお店を経営しながら、本人も好きなときに歌っています。