4章 肌をきれいにする心と体のケア
(1)インサイド・ケア|お肌の健康に留意した食事の方法
食品添加物を取り込まないよう気をつける
きれいな体は体液の浄化から始まります。
体液をきれいにするには、食生活の管理が一番のポイントです。口から入ったものが、体の血となり肉となる。だから口に入る前から汚染されていたものを食べれば、体が汚染されて当然です。
ところが現代はすでに汚染された食品が多い。一番口に入ってきやすいのは、何といっても食品添加物です。だからきれいな体づくりのためには、食品添加物に一番気をつけなければなりません。
そのためにはまず加工食品をなるべく食卓に置かないことです。加工食品にはどうしても食品添加物が入っているので、食べれば必ず食品添加物を体内に摂り込むことになってしまいます。
ところで皆さんは、日本人が一日に口にする食品添加物の量がどのくらいか知っていますか? 統計によれば、実に毎日11グラムもの食品添加物を食べているのです。
しかもその種類は80種にものぼるといいます。年間では日本人1人当たり4キログラムの食品添加物を口から入れていることになるのです。
食品添加物を口にしないためには、結局、自分で食事を作ることが大切ではないかと思います。八百屋さん、肉屋さん、乾物屋さん、魚屋さんなどで買ってきた材料を、自宅で料理して食べれば、ずいぶん少なくなるはずです。手抜きをしてお惣菜を買ってきて食べていたりすると、防腐剤など食品添加物が入っている可能性がある。食品に関して一定の勉強をして、また料理も研究して、安心できる材料で、おいしく食べる工夫をすることが、安全で肌によい食生活のための基本になると思います。
食べ物と環境問題も肌の健康と無縁でない
次に、環境のことも少し考えてみましょう。環境を守るということは、わたしたち自身に跳ね返ってくる問題であることをもう少し認識しなくてはいけないと思います。
なぜなら、海や河が汚れてしまったら、そこで採れる魚や海藻や貝も汚染されてしまうことになり、わたしたちの食卓も同じように汚染される結果となるからです。
魚や海藻、貝などに含まれる物質、土から養分を吸収するお米、野菜、くだもの、そういったもろもろのものが、巡り巡って食卓に運ばれてくるのです。汚染された環境で育った食べ物を口にすれば、体にも影響が及ぶことは避けられません。
遺伝子を組み替えた大豆、トウモロコシ、ジャガイモなどの食品も心配の種の一つといえます。遺伝子組み替え食品は「安全だ」「いや危険だ」という論争がさかんに行なわれていますが、判断の目安になる興味深い事実があります。
米国のDNA研究でトップクラスの科学者ジョン・フェイガン博士は、自ら率いる研究チームに支給されていた国からの多額の研究費を返上、遺伝子組み替えによる食物の危険性を訴えるキャンペーンを世界各国で始めています。
博士が遺伝子組み替えを「危険だ」とする根拠は次のようなものです。
①健康への危険性 具体的にはアレルギーの発生、毒性の発生、栄養価の低下。
②環境・生態系への危険性 生態系そのものが完全に変わってしまうほどの大規模な影響も考えられ、また一度組み替えられた遺伝子は二度と元に戻すことはできない。
ダイオキシンでもそうですが、危険な物質がいったん環境に放たれると、簡単に消えることなく、その影響は世代から世代へと受け継がれていく。だから私たちは一人ひとりが環境を汚さない、よい環境を壊さないと心に決めて、自分のできることから実践していく必要があるのです。
話がやや脇道にそれたように感じられるかもしれませんが、肌というのは環境の変化を一番敏感に反映する部分です。文明がこれだけ進歩し、便利快適な世の中になりながら、病人が増え、肌トラブルも増えているのは、環境が悪化していることと決して無関係ではありません。アトピーの人がなぜこんなにも多いのか…そのことを考えてほしいのです。
個々の環境悪化や危険性を論じる余裕はありませんが、環境へ気を配ることが、あなたの肌の健康と密接につながっていることを忘れないでください。そして自分にとってマイナスと思われる環境にはできるだけ身をさらさないようにすることです。