4章 肌をきれいにする心と体のケア
(1)インサイド・ケア|お肌の健康に留意した食事の方法
食事は「自宅でゆっくり」がベスト
一口に食生活といっても、見方によっていろいろな側面にスポットを当てることができます。外食が多いか少ないか、たとえ外食でなくてもその食品の中身はどうか、また食事の時間は規則的か、栄養のバランスは、食べるスピードは、使っている調理器具は、はたまた食器は……。
こうして見てみると、わたしたち日本人は食生活を簡単に考えすぎている傾向があります。とくに、仕事に追いまくられている人は、いちばん大切なはずの昼食をいとも簡単にすませてしまいがちです。
ラーメンを数分でかき込んでおしまいとか、太るのが恐いからサラダだけとか。また、同じ食物ばかりを食べていると、栄養のバランスが崩れる原因となり、結果的に肌のトラブルを招くことになります。
たとえば、ほうれん草と牛肉ばかり食べていると、その成分であるシュウ酸が結石を作る原因となります。大量に食べ、紫外線にあたるとシミの原因となるのは、レモン、ミツバ、セロリ、イチジクなどです。
サラリーマン諸氏や独身者には、外食に頼りがちな食生活を送っている方も多いようですが、では、自宅で料理した食事と外食とはいったいどこが違うのでしょうか。
外食だって、栄養のバランスを考えながら食べればそんなに心配しなくていいと思います。でも実は、外食と自宅で料理した食事とは、栄養面ではまったく変わりがなくても、精神的な余裕には大きな違いが生じるのです。
したがって夜の食事はなるべく家でとること。たとえ、おいしくなくても家庭の料理は100万の外食に匹敵するというのがわたしの考えです。しかし、電子レンジで「チン」とやったものもあまり美味しくありません。
加熱する行為には変わりがなくても、火で温めた料理と電子レンジで温めたものでは、何となく味が違うと感じるのはわたしだけではないと思うのですが。ちなみに我が家には電子レンジがありません。
遅くまで残業していると、つい出前を頼んでしまいがちですが、そういうときはなるべく消化のいいものをとりましょう。空腹のまま深夜まで仕事を続けるというのも健康面で問題があります。そのまま空腹を我慢しているより、適当な時間に食事をとったほうが体のバランスからするといいのです。
深夜まで何も食べずに帰宅し、遅くなってから一気に食べるというのも肥満の原因となります。食事というのは、一種の精神文化といってもよいくらい心理的な要因が強く味を左右するといわれます。
ゆったりとした雰囲気で食事をとるのと、セカセカとただ流し込むような食事とでは、その消化の進み具合が大きく異なるといわれているのです。
もちろん、ゆっくりと食事をしたほうがいいのは当たり前。OLでも、ファーストフードなどで軽くランチをすませてしまうような人が少なくありませんが、肌への影響を考えると、まったく乱暴な食生活といわざるを得ません。