表皮・真皮・皮下組織の
構造と役割
表皮の構造と役割

表皮は表面から順番に角質層→顆粒層→有棘層→基底層の4種類の層で構成されています。表皮細胞は基底層で生まれ、有棘細胞、顆粒層細胞となりながら角質層に到達して角質細胞となり、最終的には老廃物となり、垢として体から剥がれ落ちます。この表皮細胞の過程はターンオーバーと呼ばれています。このターンオーバーが約1ヶ月周期で繰り返され、表皮は常に新しい細胞で満たされています。
表皮には外界からの刺激物質の侵入や、水分の流出を防ぐバリア機能の役割がありますが、主に角質層がその機能を担っています。表皮の最も内側に位置する基底層は、常に新しい表皮細胞が生み出されており、この基底層がターンオーバーの起点になっています。
真皮の構造と役割
真皮の大部分を占めているのはコラーゲン(膠原繊維)で、エラスチン(弾性繊維)やヒアルロン酸などの成分が存在し、これらの中に線維芽細胞が点在しています。コラーゲン線維は真皮全体を支え、エラスチン線維は皮膚に弾力性を与える働きをします。ヒアルロン酸は多量の水分を抱え込む機能を持っており、肌のハリや弾力を左右する役割があります。
これらの成分は繊維芽細胞で生み出され、古くなったものは分解されます。真皮には毛細血管、汗腺、皮脂腺、リンパ管、神経、毛根などが通っており、細胞に栄養や酸素を供給し、老廃物を排出するだけでなく、体温調節にも関与しており、健康な皮膚を保つ上でとても重要な部分です。
皮下組織の構造と役割
皮下組織は真皮の内側で皮膚の最も内側に位置しています。皮下組織の大部分は脂肪(皮下脂肪)でできており、体温調節にも関与して外部からの衝撃を和らげる役割をしています。皮下組織は真皮と表皮の機能をサポートするための栄養を蓄えている肌の基盤となっている部分です。